眠れない夜が続くと不眠症?50代から知っておきたい、症状の考え方と病院に相談する目安

夜の寝室のベッドとランプのイメージ 50代・60代の睡眠

寝つけない夜が、何日か続いた。夜中に何度も目が覚める。朝、早く目が覚めて、それから眠れない。

そんなことが続くと、「これは不眠症なのかな」と、心配になる方もいると思います。

この記事では、厚生労働省の睡眠ガイドをもとに、「不眠症」とは、どのような状態なのか、眠れない夜が続くときの考え方、医師に相談する目安を整理します。

この記事は、一般的な生活情報です。病気の診断や治療を行うものではありません。診断は、医師が行います。眠りの悩みが続くときは、医療機関に相談してください。

この記事のポイント
  • ☾ 不眠症は、眠れない症状に加えて、日常生活の支障がある状態とされています
  • ☾ 眠ろうとしてベッドで長く過ごすと、かえって悪循環になることがあります
  • ☾ ガイドを実践しても改善しないときは、医師に相談します

ガイドにある「不眠症」とは

厚生労働省の睡眠ガイドには、不眠症について、次のように書かれています。

  • ☾ 眠る機会や環境が適切であるにもかかわらず、症状が出る
  • ☾ なかなか寝つけない(入眠困難)
  • ☾ 夜の間に、途中で何度も起きる(中途覚醒)
  • ☾ 朝、早く目が覚める(早朝覚醒)
  • ☾ それによって、日常生活に何らかの支障が出る

日常生活の支障の例として、ガイドには、倦怠感、集中力の低下、日中の眠気、仕事の効率の低下、眠ることへの強い不安などが、挙げられています。

つまり、一晩眠れなかっただけでは、すぐに不眠症とは、いえないようです。眠れない状態があって、さらに、日中の生活に支障が出ているかどうかが、ポイントになります。

眠れない状態が続くと、起きやすい悪循環

ガイドには、不眠が続いたときの、悪循環が書かれています。

  • ☾ 眠れないことへの、不安や緊張が、強くなる
  • ☾ 寝室に対する恐怖感や、睡眠へのこだわりが、強くなる
  • ☾ 眠ろうとして、ベッドで長く過ごすようになる
  • ☾ しかし、寝方を変えても、一晩に眠れる時間には限りがある。早くベッドに入っても、すぐ眠れるとは限らない
  • ☾ 効率のよい睡眠が減り、眠れずに過ごす時間が増えて、さらに苦痛が悪化する

眠れない夜の過ごし方は、眠れない夜はどう過ごす?時計を見て焦るときの7つの選択肢と、夜中に目が覚めて眠れないとき、布団の中で粘る?いったん出る?で紹介しています。

自分で感じる睡眠時間は、短めになることがある

ガイドの「ポイント」には、次のように書かれています。

不眠症の人は、実際の睡眠時間よりも、自分が感じる睡眠時間を、短く見積もることがあります。実際の睡眠時間は、睡眠の測定機器を使わないと、はかれません。

自分で感じる睡眠時間が、実際より大きく短いときは、起きる時刻と、寝る時刻を調整して、ベッドで過ごす時間を短くすることで、眠りが「圧縮」されて、寝つきや、眠りの維持が、しやすくなる、とされています。

ベッドで過ごす時間については、布団にいる時間が長いと眠りが浅くなる?50代・60代から見直したい「寝床で過ごす時間」の目安で紹介しています。ただし、自己判断で、無理に短くしすぎず、気になるときは、医師に相談してください。

ほかの病気が、隠れていることもあります

ガイドには、次のように書かれています。

  • ☾ 不眠症は、うつ病や不安症など、さまざまな精神疾患の、初期症状や併存症として、現れることが多い
  • ☾ 精神疾患が併存する場合は、不眠症だけを対象にした治療では、十分に改善しないことも多い
  • ☾ 精神疾患の悪化を防ぐためにも、医師の助言を求めることをお勧めする

また、ガイドには、閉塞性睡眠時無呼吸や、むずむず脚症候群などの睡眠障害が、不眠と見間違えられることもある、という説明もあります。いびきや、呼吸が止まるといわれたときは、更年期のあと、いびきが増えた?50代から知っておきたい睡眠時無呼吸のサインと相談の目安も、あわせてどうぞ。

症状 ガイドでの呼び方
なかなか寝つけない 入眠困難
夜の間に、途中で何度も起きる 中途覚醒
朝、早く目が覚める 早朝覚醒
上のどれかがあり、日常生活に支障が出る 不眠症(診断は医師が行う)

こんなときは、医師に相談を

ガイドには、次のように書かれています。

本ガイドの内容を実践しても、不眠の症状や、睡眠で休んだ感じの低下、日中の眠気、それらによる日常生活の困難が、改善しない場合は、医師の指示を仰いでください。

目安として、次のようなときは、医療機関への相談を考えてみてください。

  • ☾ 寝つけない、夜中に何度も目が覚める、早く目が覚める状態が、続いている
  • ☾ 日中の眠気や、だるさ、集中力の低下で、生活や仕事に支障がある
  • ☾ 眠れないことへの不安が、強くなってきた
  • ☾ 気分の落ち込みや、強い不安も、同時にある

日中の眠気については、日中に強い眠気がある…50代から見直したい、睡眠不足と睡眠障害のサインで紹介しています。

受診の前に、できること

受診・相談のイメージ(十字マーク)

ここからは、一般的な準備の例です。

  • ☾ 1〜2週間ほど、寝た時刻と起きた時刻、夜中に目が覚めた回数、朝の休んだ感じを記録する
  • ☾ 日中の眠気や、気分の変化も、メモしておく
  • ☾ 飲んでいる薬や、お酒、カフェインの量を、確認しておく

記録の書き方は、睡眠日誌に何を書く?7日間版テンプレートと読み返し方で紹介しています。

よくある質問

よくある質問のイメージ(吹き出し)

Q. 何日眠れなかったら、不眠症ですか?

A. 厚生労働省の睡眠ガイドには、日数の目安は書かれていませんでした。ガイドでは、寝つけない、途中で何度も起きる、朝早く目が覚めるなどの症状があり、それによって日常生活に支障が出る状態を、不眠症としています。診断は、医師が行います。

Q. 眠れないとき、早くベッドに入ったほうがよいですか?

A. ガイドには、早くベッドに入っても、必ずしもすぐに寝つけるわけではなく、かえって眠れずに過ごす時間が増えて、悪循環になることがある、と書かれています。

Q. 自分で眠れた時間が短く感じます。

A. ガイドには、不眠症の人は、自分で感じる睡眠時間を、短く見積もることがある、と書かれています。気になるときは、睡眠の記録をつけて、医師に相談してみてください。

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まとめ|不安なときは、記録をとって相談を

記録・ノートのイメージ(本)

不眠症について、大切なことは、次の4つです。

  • ☾ 不眠症は、眠れない症状と、日常生活の支障が、あわせてある状態
  • ☾ 不安や、ベッドで長く過ごすことで、悪循環になることがある
  • ☾ うつ病や不安症など、ほかの病気の初期症状のこともある
  • ☾ ガイドを実践しても、改善しないときは、医師に相談する

まずは、1〜2週間、眠りの記録をつけて、相談のときに、持っていってください。

参考情報

厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(令和6年2月) https://www.mhlw.go.jp/content/001305530.pdf
(本記事の、不眠症の説明・悪循環・主観的睡眠時間・併存する病気・受診の目安に関する記述は、同ガイドの原文で確認した内容です。)

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