夜中に目が覚めて時計を見ると、午前2時、3時。
「あと何時間しか眠れない」
「明日もつらくなりそう」
「どうして私は眠れないんだろう」
そんなふうに考え始めると、ますます目が冴えてしまうことがあります。
眠れない夜に大切なのは、無理に眠ろうと頑張りすぎないことです。
この記事では、眠れない夜に焦りを増やさず過ごすための7つの選択肢を紹介します。
すべてを行う必要はありません。今夜できそうなものを、一つだけ選んでみてください。
この記事は、一般的な睡眠環境や夜の過ごし方を紹介するものです。不眠症などの診断や治療を行うものではありません。眠れない状態が続き、日中の生活や運転、仕事などに影響がある場合は、医療機関へご相談ください。
眠れない夜は、無理に眠ろうとしなくていい
眠れないと、「早く眠らなければ」と焦ってしまいます。
けれども、眠ろうと意識しすぎるほど、頭の中が活発になり、眠気が遠ざかったように感じることがあります。
厚生労働省の睡眠情報では、必要以上に長く寝床で過ごすことが、睡眠休養感の低下につながる可能性があると説明されています。また、眠れないときには寝床を離れ、静かで暗めの場所で眠気を待つ方法も紹介されています。
イギリスのNHSも、眠りを無理に強制せず、眠れない場合はいったん寝床を離れて、読書や静かな音楽など落ち着けることをするよう案内しています。
今夜すぐ眠れなかったとしても、「眠らなければならない時間」から「静かに休む時間」へ切り替えてみましょう。
眠れない夜に試せる7つの選択肢
1.時計を何度も確認しない
眠れないときに時計を見ると、残りの睡眠時間を計算したくなります。
「もう3時」
「あと3時間しかない」
と確認するたびに、不安が大きくなることがあります。
時計を伏せる、スマートフォンを手の届きにくい場所へ置くなど、時間がすぐ目に入らないようにしてみましょう。
夜中にトイレへ行くため時刻の確認が必要な場合も、明るすぎない時計や足元灯を利用すると、強い光を避けやすくなります。
2.眠ることではなく、体を休ませることを目標にする
今すぐ眠ることは、自分の意思だけでは決められません。
そこで、目標を
「眠る」から「静かに休む」へ変更します。
目を閉じて横になり、楽な姿勢で体の力を抜くだけでも構いません。
「眠れなくても、今は休息の時間」と考えると、眠れない自分を責める気持ちが少し和らぐことがあります。
ただし、横になっていることが苦痛になったり、考え事が止まらなくなったりする場合は、無理に寝床へ残る必要はありません。
3.つらくなったら、いったん寝床を離れる
寝床の中で長い時間焦り続けるより、いったん場所を変えるほうが落ち着けることがあります。
別の部屋や椅子に移動し、暗めの照明の中で静かに過ごします。
たとえば、次のような過ごし方があります。
- 紙の本を少し読む
- 静かな音楽を小さな音で聞く
- 温かい飲み物を少量飲む
- 椅子に座ってゆっくり休む
- 眠気が戻るまで静かに待つ
スマートフォンで刺激の強い動画やニュースを見続けると、かえって目が冴える場合があります。
眠気を感じたら、再び寝床へ戻りましょう。
4.頭に浮かぶことを紙へ書き出す
明日の予定、家族のこと、お金のこと、仕事のこと。
夜になると、昼間は気にならなかった心配が次々に浮かぶことがあります。
そのようなときは、考えを頭の中だけで解決しようとせず、紙へ書き出してみます。
詳しく整理する必要はありません。
- 明日考えること
- 明日連絡する人
- 忘れたくないこと
- 今夜は結論を出さないこと
この4項目だけでも十分です。
最後に、
「これは明日の私に任せる」
と書いて、ノートを閉じます。
5.光・音・温度を一つだけ見直す
眠れない原因を一晩で突き止めようとすると、かえって負担になります。
今夜は、寝室環境を一つだけ確認してみましょう。
- 照明がまぶしすぎないか
- 廊下や窓から光が入っていないか
- テレビや外の音が気にならないか
- 暑すぎたり、寒すぎたりしないか
- 寝具の中が蒸れていないか
厚生労働省の情報でも、寝室の温度・湿度・音・光、寝具などの環境を整えることは、睡眠を考えるうえで重要だとされています。
一度に全部変えず、今夜は「足元灯を暗くする」「カーテンの隙間をふさぐ」など、一つだけ試して記録すると、自分に合う条件を見つけやすくなります。
6.眠れない夜のための静かなセットを用意する
眠れないたびに何をするか考えると、それだけで疲れてしまいます。
そこで、あらかじめ「夜の休息セット」を用意しておくと便利です。
たとえば、次のようなものです。
- 小さな読書灯
- 紙の本
- ノートとペン
- 羽織るもの
- 水分
- 必要に応じて耳栓やアイマスク
寝床の近くや、夜に座る椅子のそばへまとめておきます。
ただし、夜間に移動するときは転倒しないよう、足元が安全に見える程度の明かりを確保してください。
7.翌朝に簡単な記録を残す
眠れなかった夜は、「一晩中まったく眠れなかった」と感じることがあります。
翌朝、覚えている範囲で簡単に記録しておくと、自分の傾向を振り返りやすくなります。
記録する内容は、次の程度で大丈夫です。
- 寝床へ入った時刻
- 夜中に目が覚めた回数
- 最後に目覚めた時刻
- 昼寝をしたか
- 夕方以降にカフェインを取ったか
- 寝室の暑さ・寒さ・音・光
- 翌朝の休んだ感じ
点数をつけたり、自分で診断したりする必要はありません。
数日分を記録すると、医療機関へ相談するときにも状況を説明しやすくなります。
眠れない夜に避けたいこと
眠れない夜に、絶対してはいけないことが一律に決まっているわけではありません。
ただ、次の行動は不安や覚醒を強める場合があります。
- 何度も時計を確認する
- 残り時間を計算し続ける
- 刺激の強いニュースや動画を長時間見る
- 眠るために多量のお酒を飲む
- 自己判断で薬の量を変える
- 一晩で原因を特定しようとする
- 眠れない自分を責める
睡眠薬や治療中の薬について困っている場合は、自分で増減や中止をせず、処方した医師や薬剤師へ相談してください。
眠れない夜が続く場合は、記録を持って相談する
一時的に眠れない夜は、多くの人に起こり得ます。
一方で、次のような状態が続く場合は、生活上の工夫だけで抱え込まず、医療機関へ相談してください。
- 眠れない状態や強い眠気、疲労が数週間続く
- 仕事、家事、日中の活動へ影響している
- 運転中に眠気を感じる
- 大きないびき、呼吸が止まる、むせるなどを指摘された
- 夜間の転倒やけがの危険がある
- 強い不安や気分の落ち込みがある
- 痛み、動悸、頻尿など別の症状を伴う
受診時には、7日程度の睡眠記録があると、状況を伝えやすくなります。
まとめ|今夜は一つだけ選んでみる
眠れない夜に、7つすべてを行う必要はありません。
- 時計を何度も確認しない
- 眠るより、体を休ませることを目標にする
- つらくなったら、いったん寝床を離れる
- 考え事を紙へ書き出す
- 光・音・温度を一つだけ見直す
- 静かな夜の休息セットを用意する
- 翌朝に簡単な記録を残す
今すぐ眠れないとしても、夜を少し静かに過ごすことはできます。
「どうして眠れないの」と自分を責める代わりに、
「今夜は、どう休もう」
と考えてみてください。
今夜できそうなものを、一つだけ選ぶところから始めましょう。
参考情報
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「健やかな睡眠と休養」
- NHS「Fall asleep faster and sleep better」
本記事は一般的な生活情報を提供するものであり、医療上の診断や治療に代わるものではありません。
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