「親が昼間に寝てばかりで、夜になると起きている」「夜中に何度も起きてきて、こちらも眠れない」。
親の認知症で、そんな日が続くと、家族のほうも、つらくなります。
この記事では、厚生労働省の睡眠ガイドのQ&Aをもとに、認知症の親の、睡眠リズムの乱れについて、ガイドに書かれている内容を整理します。
この記事は、一般的な生活情報です。病気の診断や治療、介護の方法を示すものではありません。親の様子で気になることがあるときは、かかりつけ医などの医療機関に、相談してください。
- ☾ 認知症の6〜7割の人が、睡眠の乱れで悩んでいるといわれています
- ☾ 体内時計の変化で昼夜のメリハリが弱まり、昼夜逆転する人もいます
- ☾ 太陽光・日中の運動・人とのつながりが役立つことがあり、難しいときは医師に相談します
親の睡眠の乱れは、よくあること?
厚生労働省の睡眠ガイドのQ&Aには、「認知症の両親の睡眠が乱れ、昼間に長く居眠りをし、夜に活動する時間が増えてしまいました。対策はありますか?」という質問が、取り上げられています。
その答えには、次のように書かれています。
つまり、親の睡眠が乱れるのは、ご本人の努力や、性格の問題ではなく、体内時計の変化が関わっている、と考えられます。
なぜ、整えるのが難しいの?
ガイドには、認知症が進むと、自分で、睡眠・覚醒のリズムを修正しようとする意識も弱まるため、リズムを整えることは、困難な場合が少なくない、と書かれています。
うまくいかないときに、「自分の関わり方が悪いのでは」と、責めすぎないことも、大切です。
ガイドに書かれている、リズムを整えるヒント
ガイドの答えでは、昼夜のメリハリを助ける方法として、次のものが、挙げられています。
ガイドは、これらが、睡眠・覚醒リズムの調整に、役立つことがあるとしています。ただし、「役立つことがある」という表現で、必ずうまくいく、というものではありません。
高齢世代に勧められている、日中の過ごし方
ガイドの高齢者の項目には、認知症の方に限らず、高齢世代の睡眠について、次のような内容が書かれています。
昼寝は、どうすればいい?
ガイドには、次のように書かれています。
昼寝については、昼寝をすると夜眠れない?50代から見直したい昼寝の長さと時間帯で、50代の昼寝として、紹介しています。
| ガイドに書かれた工夫 | 内容 |
|---|---|
| 太陽光を活用する | 日中にできるだけ長く、太陽の光を浴びる |
| 日中の運動習慣 | 習慣的に運動する。ラジオ体操やヨガなどのイベントも役立つ |
| 社会的交流 | 地域活動や、人とのつながりを持つ |
| 昼寝は長くしない | 目覚ましをかける、同居者に起こしてもらうなどの工夫が有効 |
夜の寝室と、寝床で過ごす時間について
ガイドの高齢者の項目には、寝室の環境と、寝床で過ごす時間について、次のように書かれています。
寝床で過ごす時間については、布団にいる時間が長いと眠りが浅くなる?50代・60代から見直したい「寝床で過ごす時間」の目安で紹介しています。
親ごとに、体調や、安全面の事情は違います。できることから、ひとつずつ、試してください。
それでも難しいときは
ガイドには、太陽光の活用、日中の運動習慣、社会的交流が役立つことがあるが、それでも困難な場合は、医師に相談してください、と書かれています。
次のようなときは、早めに、かかりつけ医などに、相談を考えてみてください。
介護そのものの相談先としては、お住まいの市区町村の、地域包括支援センターもあります。
家族の睡眠も、守ってください
親の夜間の対応が続くと、家族の睡眠も、削られていきます。ご自身の眠りについては、家族の介護で夜中に起きる日が続くとき、自分の睡眠をどう守る?で、紹介しています。
よくある質問

あわせて読みたい関連記事
まとめ|リズムの乱れは、本人のせいではない

認知症の親の睡眠リズムについて、大切なことは、次の4つです。
まずは、昼間にカーテンを開けて、光を入れることから、試してみてください。
参考情報
厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(令和6年2月) https://www.mhlw.go.jp/content/001305530.pdf
(本記事の、認知症の方の睡眠の乱れに関するQ&A・高齢者の日中の過ごし方・昼寝に関する記述は、同ガイドの原文で確認した内容です。)

コメント