眠れない日が続くと、気分も落ち込む?50代から知っておきたい、睡眠とこころの健康と相談の目安

枕と毛布、窓の外の月のイメージ 50代・60代の睡眠

「眠れない日が続くと、気分まで沈んでしまう」「最近、気持ちが落ち込んで、眠りも浅い気がする」と感じたことはありませんか。

睡眠とこころは、深く関わっていると言われています。ただし、眠れない日が続くからといって、すぐに心配しすぎる必要はありません。

この記事では、厚生労働省の睡眠ガイドをもとに、睡眠とこころの健康の関係、50代で見直したいこと、相談を考える目安を整理します。

この記事は、一般的な生活情報です。病気の診断や治療を行うものではありません。眠りや気分の悩みが続くときは、医療機関に相談してください。

この記事のポイント
  • ☾ 睡眠とこころは、お互いに影響し合っていると考えられています
  • ☾ 睡眠時間だけでなく、休養感が低いことも、気分の落ち込みとの関連が報告されています
  • ☾ 生活を見直しても眠れない、気分の落ち込みが続くときは、医師への相談を考えます

睡眠とこころは、どう関わっている?

厚生労働省の睡眠ガイドには、次のように書かれています。

  • ☾ 睡眠は、心身の健康増進・維持に不可欠な休養活動である
  • ☾ 睡眠不足は、日中の眠気や疲労に加えて、頭痛などの心身の不調の増加や、情動(気持ち)の不安定さと関連する
  • ☾ うつ病などの精神疾患では、発症の初期から睡眠の問題が出てくることがあり、再燃・再発のリスクを高めることが知られている
  • ☾ 睡眠の問題そのものが、精神障害の発症リスクを高める、という報告もある

つまり、睡眠とこころは、どちらか一方だけが原因というより、お互いに影響し合っていると考えられています。

「休養感」が低いことと、気分の関係

ガイドでは、睡眠時間だけでなく、睡眠で休養がとれている感覚(睡眠休養感)も、こころの健康に関わる、と説明されています。

  • ☾ 米国の縦断調査では、睡眠休養感の低下が、寝つきの悪さや夜中に目が覚めるといった不眠の症状とは別に、うつ病の発症と関連することが示されている
  • ☾ 日本の成人を対象とした横断研究でも、睡眠休養感が低い人ほど、抑うつの度合いが強いことが示されている

横断研究は、ある時点の関係を見たものです。「休養感が低いから落ち込む」とも、「落ち込んでいるから休養感が低い」とも、決められません。ここでは、関係があることが報告されている、という意味で読んでください。

休養感については、朝起きても疲れが取れない…睡眠休養感が低いと何が心配?50代から知っておきたい、健康との関係で詳しく紹介しています。

不眠は、こころの不調のサインのことも

ガイドには、不眠症について、次のように書かれています。

  • ☾ 不眠症は、うつ病や不安症をはじめとした、さまざまな精神疾患の初期症状、もしくは併存症として現れることが多い
  • ☾ 精神疾患が併存する場合は、不眠症だけに焦点を当てた治療では、十分に改善しないことも多い
  • ☾ 精神疾患の悪化を防ぐためにも、医師の助言を求めることをお勧めする

また、うつ病などの精神疾患では、不眠の症状や、眠りすぎる症状が高い確率で併存するため、睡眠が短くなったり長くなったりして、睡眠休養感が慢性的に得られにくいこともある、と書かれています。

眠れないことの背景に、こころの状態が関わっている場合もある、ということです。

50代で、気にかけたい背景

ガイドには、50代前後に関わる、次のような内容も載っています。

  • ☾ 更年期の女性の4〜6割が、睡眠の悩みを抱えており、仕事にも影響することが報告されている
  • ☾ 男性でも、更年期以降は不眠症をはじめとした睡眠障害が増える。男性ホルモンの分泌の減少は、うつ病の一因となることが指摘されており、うつ病に伴って不眠の症状が出ることもある
  • ☾ 閉塞性睡眠時無呼吸などの睡眠障害や、慢性的な病気が隠れていると、睡眠環境や生活習慣を見直しても、休養感が十分に得られないことがある

更年期と睡眠については、更年期で眠れないのはなぜ?ほかの症状の治療で軽くなることも|50代から知っておきたい、更年期と睡眠で、いびきや無呼吸については、更年期のあと、いびきが増えた?50代から知っておきたい睡眠時無呼吸のサインと相談の目安で、紹介しています。

生活の中で、見直したいこと

気になる光を探すイメージ(虫めがね)

ここからは、ガイドをもとにした、一般的な見直しの例です。

  • ☾ 規則正しい生活を心がける。ガイドには、夜ふかしや、不規則な就寝時刻・食事のタイミングは、体内時計の乱れを招き、長期的にはうつ病などの精神疾患の発症リスクを高める可能性も報告されている、と書かれています
  • ☾ 日中は明るい環境で、できるだけ活動的に過ごし、夜はやや暗い環境で、ゆったり過ごす。睡眠・覚醒のリズムに、メリハリをつける
  • ☾ 仕事などによる日中のストレスは、睡眠休養感を下げる要因のひとつとされている。1日の中に、ストレスをやわらげる時間をつくる
  • ☾ 寝る前のリラクゼーションや、寝室の快適さも、休養感に影響する

寝る前の過ごし方は、寝る前に気持ちが落ち着かないときに試したい、夜のゆるい整え方で、考え事が止まらないときは、眠れない夜に考え事が止まらないとき、頭の中を静かに整理する方法で、紹介しています。

調べた内容 ガイドに書かれた結果
米国の縦断調査 睡眠休養感の低下が、不眠の症状とは別に、うつ病の発症と関連
日本の成人の横断研究 睡眠休養感が低い人ほど、抑うつの度合いが強い
不眠症について うつ病や不安症などの初期症状、もしくは併存症として現れることが多い

相談を考える目安

ガイドには、ガイドに書かれた方法を実践しても、睡眠状態の改善が十分に得られない場合は、医師に相談してください、と書かれています。

ここからは、ガイドの趣旨をもとにした、一般的な目安です。

  • ☾ 気分の落ち込みや、何をしても楽しめない感じが、続いている
  • ☾ 眠れない日が続き、仕事や家事、人との付き合いに支障が出ている
  • ☾ 日中の集中力が落ちて、ミスが増えたり、物事を決められなくなったりしている
  • ☾ 夜中や早朝に目が覚めて、そのあと眠れず、気持ちが沈む状態が続いている
  • ☾ 眠れないことへの不安が強く、夜が来るのが怖い

あてはまるものがあるときは、かかりつけ医や、睡眠・こころの専門の医療機関に相談を考えてみてください。「眠れない」という訴えだけでも、相談して構いません。

なお、つらくて、消えてしまいたいような気持ちがあるときは、ひとりで抱え込まず、すぐに医療機関や身近な人に相談してください。

よくある質問

よくある質問のイメージ(吹き出し)

Q. 眠れないのは、うつ病のサインですか?

A. 眠れないだけで、うつ病とは決められません。ガイドには、不眠症は、うつ病や不安症などの精神疾患の初期症状、もしくは併存症として現れることが多い、と書かれていますが、不眠にはさまざまな背景があります。気分の落ち込みなども一緒に続くときは、医師に相談してみてください。

Q. 気分の落ち込みがあるとき、睡眠薬を飲めば解決しますか?

A. 一概には言えません。ガイドには、精神疾患が併存する場合、不眠症のみに焦点を当てた治療では十分に改善しないことも多い、と書かれています。薬を含めた治療の判断は、医師が行います。自己判断で決めず、相談してください。

Q. 睡眠時間が足りていれば、こころは大丈夫ですか?

A. 睡眠時間だけでなく、休養感も大切だとされています。ガイドでは、睡眠時間の確保と同じくらい、睡眠で休養感が得られることが重要、とされています。時間は足りているのに、休んだ感じがない状態が続くときは、見直しや相談を考えてみてください。

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まとめ|眠りとこころは、つながっている

まとめのイメージ(チェック)

睡眠とこころの健康について、大切なことは、次の4つです。

  • ☾ 睡眠とこころは、お互いに影響し合っていると考えられている
  • ☾ 睡眠時間だけでなく、休養感が低いことも、気分の落ち込みと関連が報告されている
  • ☾ 不眠は、こころの不調の初期のサインとして現れることもある
  • ☾ 生活を見直しても改善しないときは、医師に相談する

まずは、眠りと気分を、1週間だけ、メモしてみてください。あわせて、睡眠日誌に何を書く?7日間版テンプレートと読み返し方も、参考にしてください。

参考情報

厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(令和6年2月) https://www.mhlw.go.jp/content/001305530.pdf
(本記事の、睡眠とこころの健康・睡眠休養感と抑うつの関係・不眠症と精神疾患の併存・更年期の睡眠・生活習慣の見直し・医師への相談に関する記述は、同ガイドの原文で確認した内容です。受診の目安のうち、具体的な症状の列挙は、ガイドの趣旨をもとにした一般的な目安であり、診断基準ではありません。)

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