睡眠時間が短いと、高血圧や糖尿病になりやすい?50代から知っておきたい、睡眠時間と生活習慣病の関係

夜の寝室のベッドとランプのイメージ 50代・60代の睡眠

「最近、6時間も眠れていない日が多い」「睡眠が短いと、体に悪いと聞くけれど、本当だろうか」と、気になったことはありませんか。

睡眠時間が短い状態が続くと、高血圧や糖尿病などの、生活習慣病と関わることが、研究で示されています。ただし、数字だけを見て、怖がりすぎる必要はありません。

この記事では、厚生労働省の睡眠ガイドをもとに、睡眠時間と生活習慣病の関係、働く世代の睡眠の現状、見直しの考え方を整理します。

この記事は、一般的な生活情報です。病気の診断や治療を行うものではありません。眠りの悩みや、体調の変化が続くときは、医療機関に相談してください。

この記事のポイント
  • ☾ 睡眠時間が極端に短いと、高血圧・糖尿病などの発症リスクが高まることが、研究で示されています
  • ☾ 成人では、おおよそ6〜8時間が目安で、少なくとも6時間以上の確保が推奨されています
  • ☾ 適正な睡眠時間には個人差があるため、日中の眠気や朝の休養感も、あわせて見ます

睡眠時間が短いと、どんな病気と関わる?

厚生労働省の睡眠ガイドには、次のように書かれています。

  • ☾ 睡眠時間が極端に短いと、肥満、高血圧、糖尿病、心疾患、脳血管疾患、認知症、うつ病などの発症リスクが高まることが、近年の研究で明らかになってきている
  • ☾ 睡眠不足を含めて、睡眠の問題が慢性化すると、肥満、高血圧、2型糖尿病、心疾患や脳血管障害の発症リスクの上昇や、症状の悪化に関連する
  • ☾ 死亡率の上昇にも、関与することが明らかになっている

つまり、睡眠は、「眠くならなければよい」というものではなく、体の健康にも関わる、大切な休養だと、考えられています。

ガイドに載っている、研究の数字

ガイドには、日本で行われた調査の結果が、いくつか紹介されています。ここで紹介する調査は、いずれも男性の労働者が対象です。女性にそのまま当てはまるとは、限りません。

  • ☾ 日本人の男性労働者、約4万人を7年間追跡した調査では、睡眠時間が1日5時間未満の人は、5時間以上の人と比べて、肥満になるリスクが1.13倍、メタボリックシンドロームの発症リスクが1.08倍と、有意に上昇した
  • ☾ 日本の男性労働者2,282人を、14年間追跡した調査では、睡眠時間が1日6時間未満の人は、7時間以上8時間未満の人と比べて、心筋梗塞、狭心症などの心血管疾患の発症リスクが、4.95倍になった
  • ☾ 世界中の研究を集めて、92万人分のデータを解析したところ、睡眠時間が6時間未満になると、死亡リスクが有意に上昇した

また、脳波を使って、睡眠時間と布団にいた時間を、厳密に調べた研究では、40歳から64歳の成人で、睡眠時間が短くなるにつれて、総死亡率が増加することが、はっきり示されたと書かれています。ガイドは、この世代は睡眠不足の傾向が目立つので、十分な睡眠時間の確保が、健康の保持・増進に重要と考えられる、としています。

長すぎる睡眠も、同じ?

ガイドには、自己申告にもとづく複数の調査から、7時間前後の睡眠時間の人が、生活習慣病やうつ病の発症、および死亡に至るリスクが最も低く、これより長い睡眠も、短い睡眠も、これらのリスクを増やすことが報告されている、と書かれています。

ただし、睡眠時間の個人差や、「眠った時間」と「布団にいた時間」の違いについては、必要な睡眠時間は人それぞれ?ロングスリーパーと「休養感」の考え方で紹介しています。数字だけで、自分を決めつけないことが、大切です。

働く世代の睡眠の現状

ガイドには、令和元年の国民健康・栄養調査の結果が、紹介されています。

  • ☾ 20〜59歳の、働く世代では、睡眠時間が6時間未満の人が、各世代で約35〜50%を占める
  • ☾ 睡眠時間が5時間未満の人に限っても、約5〜12%と、高い割合である
  • ☾ 1日の平均睡眠時間が6時間未満の人の割合は、男性37.5%、女性40.6%で、男性の30〜50歳代、女性の40〜50歳代では、4割以上を占める

つまり、50代で、6時間に届かない日が多いのは、決して、あなただけではない、ということです。

では、何時間を目安にすればいい?

ガイドでは、これまでの科学的な知見にもとづくと、成人では、おおよそ6〜8時間が適正な睡眠時間と考えられ、1日の睡眠時間を、少なくとも6時間以上確保できるように努めることが、推奨されています。

ただし、次のようにも書かれています。

  • ☾ 適正な睡眠時間には個人差があり、6時間未満でも、睡眠が充足する人もいれば、8時間以上が必要な人もいる
  • ☾ 日中の眠気や、睡眠休養感に応じて、各個人に必要な睡眠時間を、自分で探る必要がある

睡眠時間の目安は、睡眠時間は何時間がいい?50代・60代から見直したい、6時間・7時間・8時間の考え方でも、紹介しています。

休日の寝だめで、取り戻せる?

ガイドには、平日に睡眠不足の日が続いて、休日に長く寝る習慣がある人について、次のように書かれています。

  • ☾ 平日に6時間以上寝ている人に限り、休日の1時間程度の寝だめは、寿命短縮のリスクを下げることが示されている
  • ☾ 平日の睡眠時間が6時間未満の人は、休日に寝だめをしても、寿命短縮のリスクが有意に高い
  • ☾ 休日に長い睡眠が必要なときは、平日の睡眠時間が不足しているサイン。平日に十分な睡眠時間を確保できるよう、睡眠習慣を見直す必要がある

休日の起きる時刻については、休日に寝だめすると夜眠れない?50代から見直したい休日の起きる時間で紹介しています。

睡眠時間が短い人が、見直したいこと

気になる光を探すイメージ(虫めがね)

ここからは、ガイドをもとにした、一般的な見直しの例です。

  • ☾ まず、1週間ほど、寝た時刻と起きた時刻、日中の眠気、朝の休養感を、記録してみる
  • ☾ 日中の眠気が強いか、朝に休んだ感じがあるかを、目安にする
  • ☾ 6時間未満の日が続くときは、夜の過ごし方や、寝室の環境、食事や運動などの生活習慣を、見直してみる
  • ☾ 生活習慣を見直しても、睡眠の不調や、休養感の低下が長く続くときは、睡眠障害が隠れていないか、医師に相談する

記録の書き方は、睡眠日誌に何を書く?7日間版テンプレートと読み返し方で紹介しています。

調べた内容 ガイドに書かれた結果
約4万人を7年間追跡(男性の労働者) 5時間未満の人は、5時間以上の人より、肥満のリスクが1.13倍
2,282人を14年間追跡(男性の労働者) 6時間未満の人は、7時間以上8時間未満の人より、心血管疾患のリスクが4.95倍
世界中の研究を集めて解析(92万人分) 6時間未満になると、死亡リスクが有意に上昇

相談を考える目安

ガイドには、睡眠の不調(寝つけない、夜中に目が覚めるなど)や、睡眠休養感の低下が長く続く場合、背後に睡眠障害が潜んでいることがあると、書かれています。

次のようなときは、医療機関への相談を考えてみてください。

  • ☾ 6時間以上眠っているのに、朝、休んだ感じがない状態が続く
  • ☾ 日中の眠気が強く、仕事や家事、運転に支障がある
  • ☾ 寝つけない、夜中に何度も目が覚める状態が、続いている
  • ☾ 健康診断で、血圧や血糖値などの指摘を受けた

日中の眠気については、日中に強い眠気がある…50代から見直したい、睡眠不足と睡眠障害のサインでも、紹介しています。

よくある質問

よくある質問のイメージ(吹き出し)

Q. 睡眠時間が6時間未満だと、必ず病気になりますか?

A. いいえ。ガイドには、リスクが高まることが研究で示されていると書かれていますが、必ず病気になる、ということではありません。また、適正な睡眠時間には個人差があり、6時間未満でも睡眠が充足する人もいる、とされています。日中の眠気や、朝の休養感も、あわせて見てください。

Q. 睡眠時間は、短くても、眠りが深ければいいですか?

A. ガイドでは、睡眠時間の確保と、同じくらい、睡眠で休養感が得られることが重要とされています。どちらか一方ではなく、両方を見ることが、大切です。休養感については、朝起きても疲れが取れない…睡眠休養感が低いと何が心配?50代から知っておきたい、健康との関係で紹介しています。

Q. 調査の数字は、女性にも当てはまりますか?

A. ガイドで紹介されている日本の追跡調査の数字は、男性の労働者を対象にしたものです。女性にそのまま当てはまるとは、限りません。ただし、睡眠が短いことで、健康に影響が出る可能性は、ガイドで広く示されています。

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まとめ|数字に、おびえすぎず、自分の睡眠を見る

まとめのイメージ(チェック)

睡眠時間と生活習慣病について、大切なことは、次の4つです。

  • ☾ 睡眠時間が極端に短いと、高血圧、糖尿病などの発症リスクが高まることが、研究で示されている
  • ☾ 成人では、おおよそ6〜8時間が目安で、少なくとも6時間以上の確保が、推奨されている
  • ☾ 適正な睡眠時間には個人差があり、日中の眠気や朝の休養感も、あわせて見る
  • ☾ 睡眠の不調や、休養感の低下が長く続くときは、医療機関に相談する

まずは、1週間、寝た時刻と、朝の休養感を、記録してみてください。

参考情報

厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(令和6年2月) https://www.mhlw.go.jp/content/001305530.pdf
(本記事の、睡眠時間が短いことによる健康へのリスク・調査の数字・睡眠時間の現状・適正な睡眠時間の目安・休日の寝だめ・受診の目安に関する記述は、同ガイドの原文で確認した内容です。)

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