夜中に物音がして起きる。
家族のトイレを手伝う。
様子を確認する。
必要なことを済ませ、また布団へ戻る。
ようやく眠ったと思ったら、また呼ばれる。
親や家族の介護・見守りをしていると、こうした夜が続くことがあります。
その状態で、
「朝は同じ時間に起きましょう」
「昼寝をしすぎないように」
「寝る前はリラックスしましょう」
と言われても、
「そんなことは分かっているけれど、それどころではない」
と感じることもあると思います。
介護などで睡眠が中断されている場合、自分の生活習慣だけを整えれば解決するとは限りません。
この記事では、よく眠る方法ではなく、限られた状況の中で自分の休息を少しでも守る方法を考えます。
「眠れない」と「眠る時間が中断される」は少し違う
布団へ入っても眠れない場合と、眠っていたのに介護のため起こされる場合では状況が違います。
後者では、
「もっと上手に眠らなければ」
と自分を責めても解決しません。
そもそも睡眠を取れる時間そのものが何度も中断されているからです。
まず、
「私の眠り方が悪い」
ではなく、
「夜に何度も対応する必要がある状況なんだ」
と分けて考えてみます。
夜中の対応をできるだけ短く、安全にする
介護内容によって必要な対応は違います。
安全に関わることは、無理に短くする必要はありません。
ただ、対応が終わったあと、
明るい照明の下でスマートフォンを見る。
そのまま家事を始める。
テレビをつける。
といったことが増えると、寝床へ戻るまでの時間が長くなります。
必要な対応が済んだら、自分まで完全に昼間の活動へ戻らないようにします。
足元の安全は暗さより優先する
「夜は明るい光を避けたほうがいい」
と知っていても、介護や見守りで移動するなら安全が最優先です。
廊下やトイレまで安全に歩ける照明を確保してください。
足元灯や間接照明などが使いやすい場合もあります。
眠りのために暗くしすぎて転倒することがないようにします。
関連記事:夜間の安全も考えた寝室の光を見直す
昼間に眠い日は「休んではいけない」と思わなくていい
夜に何度も起きた翌日は、当然眠くなることがあります。
そんな日に、
「昼寝すると夜眠れなくなるから我慢しよう」
と無理をする必要はありません。
介護によって夜の睡眠が十分に取れない状況では、日中の安全と休息も大切です。
長時間の昼寝で生活リズムが大きく変わることには注意しつつ、眠気が強い日は短く休むことも選択肢にします。
関連記事:昼寝をするときの長さと時間帯を考える
「夜は私が全部やる」になっていないか
家族介護では、いつの間にか一人に負担が集まることがあります。
「私が一番よく分かっているから」
「夫は仕事があるから」
「兄弟は遠くに住んでいるから」
と、自分が夜も全部対応していることがあります。
家庭ごとに事情がありますので、簡単に分担できるとは限りません。
それでも、
週末の一晩だけ。
寝る前の対応だけ。
朝の時間だけ。
など、一部でもほかの人に頼めないか考える余地はあります。
「休むためにサービスを使う」ことも介護の一部
介護サービスというと、介護される本人のためのものと思いがちです。
でも、家族が休息を確保することも長く介護を続けるうえで大切です。
現在利用しているサービスがある場合は、
「夜の対応が続いて、自分が眠れていない」
ということもケアマネジャーなどへ伝えて構いません。
「本人は困っていません」
だけで終わらせず、介護している側の生活も含めて相談します。
地域包括支援センターへ家族から相談してもいい
まだ介護サービスを利用していない。
誰に相談すればよいか分からない。
そんな場合は、家族が住んでいる地域の地域包括支援センターへ相談する方法があります。
地域包括支援センターは、高齢者本人だけではなく、家族からの介護や生活についての相談にも対応しています。
「夜何度も起きる必要があり、自分が眠れていない」
という困りごとも、そのまま伝えて構いません。
夜の記録は細かくつけすぎない
相談するときに役立つのが簡単な記録です。
ただし、睡眠不足の中で詳細な介護記録を増やすと、それ自体が負担になります。
たとえば、
「1時 トイレ介助」
「4時 見守り」
「自分は合計3回起床」
くらいでも十分です。
数日分あると、
「毎晩どのくらい対応しているか」
を周囲へ説明しやすくなります。
関連記事:睡眠日誌で夜中に起きた回数を記録する
強い眠気がある日は運転などに注意する
夜の睡眠が何日も中断されていると、日中に強い眠気を感じることがあります。
車の運転。
高いところでの作業。
火を使う作業。
など、眠気が事故につながる場面では特に注意してください。
「介護があるから仕方ない」と無理を続けず、安全を優先します。
自分の体調が崩れてきたら相談する
眠れない状態が長く続き、
日中の強い眠気。
疲労。
気分の落ち込み。
家事や仕事への大きな影響。
などが出ている場合は、自分自身の体調について医療機関へ相談することも考えてください。
「介護している側だから我慢する」必要はありません。
まとめ|介護の夜は「快眠」より「休息を守る」
家族の介護や見守りで夜中に起きる必要があるとき、一般的な睡眠習慣だけでは解決できないことがあります。
まず考えたいのは、
- 夜の対応後に活動を広げすぎない
- 移動の安全を確保する
- 眠気が強い日は昼間も短く休む
- 一人だけに夜の対応が集中していないか見る
- ケアマネジャーや地域包括支援センターへ相談する
ことです。
「もっと上手に眠らなければ」ではありません。
夜に何度も起きなければならない状況の中で、自分の休める時間をどう確保するか。
そこから考えてみてください。


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