寝る前のたばこは眠りに影響する?50代から見直したい、ニコチンと睡眠の関係

夜の寝室の窓辺とランプのイメージ 50代・60代の睡眠

寝る前に、一服してから、布団に入る。そんな習慣のある方は、少なくないかもしれません。

「たばこを吸うと、落ち着いて眠れる気がする」と感じている方もいると思います。

ただ、厚生労働省の睡眠ガイドでは、たばこに含まれるニコチンは、眠りに影響すると説明されています。

この記事では、同ガイドをもとに、ニコチンと睡眠の関係を整理します。たばこをやめることをすすめる記事ではなく、事実を知って、ご自身で考える材料にしてもらうための記事です。

この記事は、一般的な生活情報です。病気の診断や治療を行うものではありません。禁煙を考えている方や、持病のある方は、医師や薬剤師に相談してください。

この記事のポイント
  • ☾ ニコチンには覚醒作用があり、眠る前の喫煙は寝つきや眠りの深さに影響します
  • ☾ 夕方の喫煙でも、作用が眠る前まで残ることがあります(血中半減期は約2時間)
  • ☾ 加熱式・電子たばこでも、ニコチンを含めば、同様の影響が考えられます

ニコチンには、眠りを妨げる働きがあります

厚生労働省の睡眠ガイドには、次のように書かれています。

  • ☾ たばこに含まれるニコチンには、覚醒作用(目を覚ます働き)がある
  • ☾ 眠る前の喫煙は、寝つきの悪化、夜中に目が覚める回数の増加、睡眠効率の低下、深い睡眠の減少をもたらす
  • ☾ ニコチンの血中半減期は約2時間。夕方の喫煙でも、眠る前まで、その作用が残ることがある

半減期とは、血液の中の濃度が、半分になるまでの時間のことです。

つまり、「寝る直前に吸っていないから大丈夫」とは、言い切れないということです。

吸っていても、やめても、眠りが乱れることがあります

ガイドには、習慣的にたばこを吸っている方について、次のような報告があると書かれています。

  • ☾ 吸わない人と比べて、寝つきの悪さ、夜中に目が覚めること、睡眠時間の減少、深い睡眠の減少が、強い
  • ☾ 日中の眠気も、強い
  • ☾ たばこを控えると、離脱症状として、不安・気分の落ち込み・不眠が出ることがある

そのため、習慣的に吸っていると、「吸っていても、吸っていなくても、眠りが悪くなる」という状態に陥る可能性がある、と説明されています。

だからといって、「やめられない自分はダメだ」と考える必要はありません。眠りに影響があることを知って、できることから、考えてみるということです。

加熱式たばこ・電子たばこは、どうなの?

「紙巻きたばこより、加熱式のほうが、よいのでは」と思う方もいるかもしれません。

ガイドのQ&Aには、近年、加熱式たばこや電子たばこが広まっているが、ニコチンを含むものであれば、睡眠に対して同じような影響があると考えられる、と書かれています。

ガイドのまとめでも、喫煙(紙巻きたばこ、加熱式たばこなど、ニコチンを含むもの)は、睡眠の質を悪化させる可能性があるとされています。

家族の眠りにも、関係します

ガイドには、受動喫煙も、睡眠に影響を及ぼすと書かれています。特に、妊婦やこどもの睡眠への悪影響が強いことが知られています。

同居している方の睡眠と健康を守るためにも、喫煙を控えることが大切だと説明されています。

家の中や、寝室で吸うかどうかは、一度、家族と話し合ってみてもよいかもしれません。

ほかの嗜好品との関係

睡眠に影響する代表的な嗜好品として、ガイドでは、カフェイン、アルコール、ニコチンの3つが挙げられています。

カフェインについては、夕方のコーヒーで眠れない?50代から見直したいカフェインとの付き合い方で、お酒については、寝酒をすると眠れる気がする?50代から見直したい夜のお酒との付き合い方で紹介しています。

また、ガイドには、カフェインやアルコール、ニコチンは、むずむず脚症候群を悪化させる可能性があるため、可能な限り控える、とも書かれています。

今夜からできる、小さな工夫

ここからは、ガイドをもとにした、一般的な工夫の例です。

  • ☾ 眠る前の喫煙は、ひかえめにしてみる(ニコチンの作用は、数時間残ることがある)
  • ☾ 夕方以降の本数を、少しだけ減らしてみる
  • ☾ 吸いたくなったときは、温かいお茶(カフェインの少ないもの)や、水を飲む
  • ☾ 眠りの様子を、数日間、記録してみる

急にやめると、離脱症状が出ることがあります。無理のない進め方は、医師や薬剤師に相談してください。

記録をつける

記録・ノートのイメージ(本)

眠りとたばこの関係は、人によって違います。数日分、記録をつけると、自分の傾向が見えてきます。

  • ☾ 最後に吸った時刻と、本数
  • ☾ 寝た時刻と、起きた時刻
  • ☾ 寝つくまでの様子
  • ☾ 朝の休養できた感じ

記録の書き方は、睡眠日誌に何を書く?7日間版テンプレートと読み返し方で紹介しています。

こんなとき 試してみること
寝る直前に吸っているとき 最後に吸う時刻を、少しだけ早めてみる
夕方以降の本数が多いとき 夕方以降の本数を、少しだけ減らしてみる
吸いたくなったとき カフェインの少ないお茶や水を飲んでみる
やめたいが、やり方に不安があるとき 自己判断せず、医師や薬剤師に相談する

相談を考える目安

次のようなときは、医療機関や、薬局への相談を考えてみてください。

  • ☾ 生活を整えても、寝つきの悪さや、夜中に目が覚めることが続く
  • ☾ 日中の眠気が強く、仕事や家事に支障がある
  • ☾ たばこを控えると、不安や気分の落ち込みが強く出る
  • ☾ 禁煙したいが、やり方に不安がある

よくある質問

よくある質問のイメージ(吹き出し)

Q. 寝る前の一服で、落ち着いて眠れる気がします。眠りには、悪くないのですか?

A. 厚生労働省の睡眠ガイドでは、ニコチンには覚醒作用があり、眠る前の喫煙は、寝つきの悪化、夜中に目が覚める回数の増加、深い睡眠の減少をもたらすと説明されています。落ち着く感覚と、睡眠の質は、別のものだと考えられます。

Q. 加熱式たばこなら、眠りへの影響は少ないですか?

A. ガイドのQ&Aには、ニコチンを含むものであれば、紙巻きたばこと同様の影響があると考えられる、と書かれています。

Q. 夕方に吸っただけなら、夜の眠りには関係ありませんか?

A. ガイドによると、ニコチンの血中半減期は約2時間で、夕方の喫煙でも、眠る前までその作用が残ることがあります。

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まとめ|ニコチンは、眠りに影響することがある

まとめのイメージ(チェック)

ニコチンについて、大切なことは、次の4つです。

  • ☾ ニコチンには覚醒作用があり、寝つきや、眠りの深さに影響する
  • ☾ 夕方の喫煙でも、作用が眠る前まで残ることがある
  • ☾ 加熱式たばこや電子たばこでも、ニコチンを含めば、同様の影響が考えられる
  • ☾ やめ方に不安があるときは、医師や薬剤師に相談する

まずは、最後に吸う時刻を、少しだけ早めてみることから、試してみてください。

参考情報

厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(令和6年2月) https://www.mhlw.go.jp/content/001305530.pdf
(本記事の、ニコチンの覚醒作用・半減期・習慣喫煙者の睡眠・離脱症状・加熱式たばこ・受動喫煙・むずむず脚症候群に関する記述は、同ガイドの原文で確認した内容です。)

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