車の音、話し声、雨音、時計の秒針——静かなはずの夜に、ちょっとした物音が気になって眠れなくなることがあります。
以前の記事(眠れない夜はどう過ごす?時計を見て焦るときの7つの選択肢)でも「音」を見直しポイントのひとつとして挙げていましたが、今回は音に絞って、目安となる音の大きさや、具体的な防音・遮音の工夫を詳しく整理していきます。
なぜ物音が気になると眠れなくなるのか
睡眠中は、外部の音に対する反応が完全になくなるわけではありません。
特に眠りが浅い時間帯には、小さな物音でも脳が反応し、目が覚めたり、眠りの深さが変化したりすることがあります。加齢とともに眠りが浅くなりやすいことは50代になって眠りが浅くなった?でも紹介したとおりで、その結果、若い頃は気にならなかった物音が気になりやすくなる、ということも起こり得ます。
目安となる音の大きさ
睡眠時の音環境の目安として、40dB(デシベル)以下が望ましく、50dB以上になると半数程度の人の睡眠が影響を受けるという情報が紹介されています(注1)。
40dB以下は図書館や木の葉が触れ合う程度の音量、50dB以上は換気扇やエアコン室外機の音に近いとされています。
世界保健機関(WHO)は、これよりもさらに厳しめの目安として、良質な睡眠のためには寝室内で30dB以下が望ましいという基準を示しています(注2)。
いずれも「寝室の中で聞こえる音」についての目安です。屋外の交通騒音や地域全体の騒音レベルについては、住宅の防音性能や地域差によって条件が大きく異なるため、本記事では取り上げず、寝室内の音環境を整える工夫に絞って紹介します。
防音・遮音の具体的な工夫
- 窓の隙間を減らす(隙間テープを貼る、必要であれば二重窓や防音カーテンを検討する)
- 厚手のカーテンを使う(音を完全に遮るわけではありませんが、多少の吸音効果が期待できます)
- ドアの隙間にも隙間テープなどで対策する
- 本棚や家具を外壁側に配置する(音の伝わり方を和らげる工夫のひとつですが、転倒対策も忘れずに行いましょう)
- 寝室を選べる場合は、道路や共用部から離れた部屋を検討する
耳栓を使う場合のポイント
耳栓は音を物理的に遮る方法で、特に低い音に効果を感じやすいと紹介されています(注3)。
ただし、目覚まし時計や家族の呼びかけが聞こえにくくなることがあるため、災害時の警報や火災報知器の音が聞こえるかどうかは、事前に確認しておくと安心です。
ホワイトノイズ・環境音を使う場合のポイント
ホワイトノイズは、幅広い周波数の音を均等に混ぜた音で、突発的な物音を目立たなくする「マスキング効果」があると紹介されています(注3)。
「静かすぎるとかえって物音が気になる」という方には、扇風機の音や環境音アプリなど、一定の音を流しておく方法が合う場合もあります。音量は無理に大きくせず、心地よいと感じる程度にとどめるとよさそうです。
記録をつける
「どんな音で目が覚めたか」「時間帯」「その夜の対策(耳栓・ホワイトノイズなど)」を記録しておくと、自分に合う対策が見えやすくなります。
記録の付け方は睡眠日誌の7日間テンプレートで紹介しています。
受診を考える目安
音の対策をしても眠れない状態が続き、日中の強い眠気や体調不良につながっている場合は、無理に我慢せず医療機関へ相談することも選択肢です。
相談を考える目安については、眠れない夜はどう過ごす?時計を見て焦るときの7つの選択肢でも詳しく紹介しています。
よくある質問
Q. 耳栓とホワイトノイズ、どちらがいいですか?
A. とにかく静かにしたい場合は耳栓、無音だとかえって物音が気になる場合はホワイトノイズが合うと紹介されています。どちらが合うかは人によって異なるため、試しながら自分に合う方法を探ってみるとよさそうです。
Q. 家族のいびきが気になって眠れません。何かできることはありますか?
A. 耳栓やホワイトノイズは物理的な音対策として選択肢になります。ただし、いびきの原因によっては、いびきをしている本人が医療機関へ相談したほうがよい場合もあります。
まとめ
物音が気になって眠れないときは、40dB以下(図書館程度)を目安に、窓やドアの隙間対策、カーテンの見直しなど、できることから防音・遮音の工夫を取り入れてみるとよさそうです。耳栓やホワイトノイズも選択肢のひとつですが、耳栓は目覚ましや警報が聞こえにくくなる点に注意が必要です。それでも眠れない状態が続くようであれば、記録を取りながら無理せず相談も検討してみてください。
参考にした情報源
- 健康長寿ネット(公益財団法人長寿科学振興財団)「快眠のための環境作り」https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/tyojyu-suimin/kaimin-kankyo-zukuri.html — 睡眠時の音環境40dB以下が望ましい、50dB以上で睡眠阻害
- 世界保健機関(WHO)欧州地域事務局「Noise」ファクトシート https://www.who.int/europe/news-room/fact-sheets/item/noise — 良質な睡眠のための寝室内音環境30dB以下(屋外の年間平均騒音レベルやEU域内の騒音曝露統計は指標の種類が異なり単純比較できないため本記事では使用せず、寝室内30dB以下の目安のみ採用)
- 耳栓・ホワイトノイズの一般的な特徴に関する情報 — 複数の睡眠用品・生活情報サイトの解説記事を集約したもので、公的一次情報ではないため参考情報として扱う

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